デイリーMoccoly

メイキング・オブ・モータウン

ドキュメンタリー映画「メイキング・オブ・モータウン」を観た。
モータウン世代じゃないが、モータウンという言葉を聞くだけで超ワクワクする。
ポップでお洒落で底知れないパワーを感じるからだ。
映画は、モータウン創設者のベリー・ゴーディと親友のスモーキー・ロビンソンの2人がとにかく楽しそうに喋る場面を中心に展開されるのだが、この2人が物凄くイケていた!
それはまるで居酒屋ではしゃぐおじさんのようでもあり、オカマバーのママとチーママのようでもあった。
もうこの2人の会話だけで充分映画が成立する。
おじさんというか正確にはもうおじいちゃんなのに、女子高生のようにあれだけ盛り上がっちゃうのだから、モータウンがいかに素晴らしかったのかが垣間見れる。
そして2人は未だパワーが衰えていない。
自動車工場の組み立てラインをヒントにモータウンは分業制で音楽を作り上げた。
その細部までこだわったシステムは、マナーやフャッションや食事にまで徹底した管理体制で行われていた。
システムを知れば知る程、だからなのか!と納得いく事だらけで感服する。
そしてネルソン・マンデラ大統領が、“モータウンサウンドは獄中での心の支えだったと”敬意を表している場面にグッときて興奮した。
そもそも所属アーティスト全員が大スターで大ヒット曲の連続って、そんなレーベル他にはない。
私の視界に入る席にモータウンの熱狂的ファンの女子がいた。
音楽に合わてお尻を椅子から浮かせピョンピョン跳ねてリズムを取っていた。
かと思いきや次の瞬間号泣。
なかなか忙しそうな様子だったが、それだけ魂を揺さぶられるという事だ。

上映後ロビーに出ると、1人のおじさんに声を掛けられた。

おじさん 「映画楽しかったですか?」

私 「ハイ。とても良かったです!」

おじさん 「あなた先日私の前の席に座ってましたよね?」

私 「え!あ、マイルス・デイヴィスですね」

おじさん 「そう。あなたの髪の毛でとても観づらくて、ずっとカラダを斜めにしながら観てました。」

私 「え!それはすいません!一応あれでも髪の毛を小さくまとめたのですが・・・まだお邪魔でしたか・・・。」

おじさん 「ええ。観づらかったです。あなたの髪型は映画向きじゃないですね。」

私 「本当にすいません!以後気をつけます!」

そういえば、この映画館でマイルス・デイヴィス上映後、ずっと私の事を凝視していたおじさんがいた。
なんでそんなにじっくり見てるのかな・・・?
とちょっと不思議だったが、こんな人もマイルス・デイヴィスを観るのか。
と思ってるんだろう。
と勝手に解釈して受け流してしまった。
おじさんは多分その時、私の髪の毛について注意しようかどうしようか迷っていたのだ。
そして今回再度私に会ったのを機に、勇気を出して優しく注意してくれたのだ。
なんて有難い人なんだ。
ご迷惑をおかけして申し訳ない気持ちでいっぱいになった。

こんなマナーが無い私をモータウンだったらどう変化させてくれるのか。
ベリー・ゴーディにすがりたい。

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