デイリーMoccoly

ひょうの事

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沖縄から一緒に無事帰宅後、かなり復活したようだ。
そもそもひょうは、私のひょうではなかった。
10年以上前、知り合いの家で開催された飲み会に行った時に出会ったのだ。
出会った瞬間から私は運命を感じた。
飲み会中ずっとひょうが気になり、ついに帰り際酔っ払った勢いでこっそり連れて帰って来てしまったのだ。
しばらくしてその知り合いから連絡があり凄く怒られたが、大事にしてくれるのであればあげてもいいと言われた。
しらふに戻った私は、自分が犯した窃盗罪について反省したが、これからひょうと一緒に暮らせる事に大きな喜びを感じた。
それからというもの、ただ家の居間にちょこんと座っていただけのひょうの人生がガラリと変化した。
私が企画したイベントの司会者の頭には必ずひょうを乗せたり、国内外の旅に連れまわしたり、ライブに出演させたりもした。
ひょうは常に私と一緒に外出する事が増え、家で休む暇がなくなった。
最初の頃は初めての経験に張り切っていたひょうだが、いつしか疲れきってやつれ、毛並も悪くなり、すっかり老け込んでしまった。
いつも遠くを見つめ、明らかに顔つきが変わってしまった。
あれ?ひょうの様子が何か変だぞ?
と気付いた時には既に遅かった…。
私のせいだ。
私のせいでこんなに哀愁漂う背中になってしまった。
自分の人生を他人の手によって大きく左右させられたものの背中からは哲学すら感じる。
ごめんねひょう。
余生はひょうの好きなように生きて下さい。
私は窃盗罪の時以来2度目の反省をした。

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