デイリーMoccoly

おならの達人

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年輩の皆さんは無意識によくおならをする。
昨日も地下鉄のベンチに座っていたら、前をおじいちゃんがおならをしながら横切った。
ブリッ!ブリブリッ!と凄く大きい音だった。
歩きながらあそこまでの勢い溢れるおならをするのは、おなら上級者だ。
おじいちゃんは何事もなくおならをしたけど、隣にいた奥さんであるおばあちゃんと普通に会話を続けていた。
普通は「おっと失礼!」とか「あっ、出ちゃった!」とか「ちょっとおじいさん!やだぁ」とか言って笑いあったりするとこだが、お互い特別気に止めていないようだった。
これはもうおならの達人だ。
凄いよなァと思う。
先日も本屋さんで本を選んでいた時に、横にいたおじいちゃんがやはり凄く大きな音でおならをした。
しかしおじいちゃんは何事もなく本を選び続けていた。
私は笑いを必死にこらえた。
面白すぎる。
しかし面白がっていたのも束の間、物凄い悪臭が漂ってきた。
これは非難するしない!
という事で違う場所に非難したのだが、おじいちゃんのおならはその後も止まらず、何度も音が聞こえてきた。そして悪臭も…。そして何故かおじいちゃん本人も本を選ぶようにしながら私がいる方へ近付いてきた…。
この様に年輩になると、おならはもう呼吸と同じ自然な現象になるのだ。
もちろんおならは自然現象だが、人前や公共の場での大音量のおならというのは、達人レベルに達しないとなかなか自然に出来ない。
ましてや女子であれば尚更だ。
私はこう見えておならだけは家族以外の人前では出来ない。
もちろん男子や好きな人の前に至っては絶対に出来ない。
よくカップル同士おならの競い合いをして遊んでいるという話を聞くが、私にはちょっと考えられない。
というのも私のおならは実は今ご紹介したおじいちゃん達より遥かに凄い音量と悪臭でデブっちょなオッサンみたいな為、全く笑えないからだ。
笑えないどころか時として相手に殺意を抱かせる危険性もある。
彼氏といちゃいちゃゲームに出来るほど、私のおならはそんな生易しいもんじゃない。
いつでも己との真剣勝負なのだ。
だからおならは一人だけの時に思いきり出して自分で自己採点をし、過去の最高点を塗り替えていくのが私独自の楽しみ方だ。
でも私もいつかホームや本屋にいたおじいちゃんのような、おならの達人になる日が来るのだろうか。
そこまでいけば、世の中怖い物は何も無くなるんだろうなァ。
恐るべしおならの達人!

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