あの個室の中へ…
亀有駅でまた尿意を催した。
今回は時間に少し余裕があるから、また「ブフフフ…ブフフフ…」と言ってるおばちゃんがいたら今日こそは正体を突き止められる!
と思い、意気揚々とトイレに行ったのだが、トイレには誰も入っていなかった…。
時間がある時に限って何も起こらないのだ。
まァそんなもんだ。
個室が選びたい放題だったので、私は試しにブフフフおばちゃんが入っていた個室に入って用を足す事にした。
もしかして「ブフフフ…ブフフフ…」と言っていた謎が隠されてるかもしれないし、もしかして自分も「ブフフフ…ブフフフ…」と言ってしまうような事態になるかもしれない。
いろいろな期待を込めて私は個室に入った。
しかし「ブフフフ…ブフフフ…」の謎は解明されなかったし、自分が「ブフフフ…ブフフフ…」と言ってしまうような事態にはならなかった。
つまらない…。非常につまらない。
これじゃあせっかく時間があるのに、ただ普通にトイレで用を足しただけで終了してしまう。
そこで私は用を足し終えてからも、少しの間便器に座っていた。
「ブフフフ…ブフフフ…」の謎は用を足した後に判明するかもしれないと思ったからだ。
しかし特に何も起こらなかった。
そこで立ち上がり個室内をプラプラと歩いてみた。
この個室は子供と一緒に入れる一番大きな個室なので、意外と広いのだ。
しかしプラプラしたとこで、やっぱり何も起こらなかった。
そんな無意味な行動をしていたら、突然係の人がトイレットペーパーを取り替えにやって来た。
他の個室には誰も入っていなかったので、さっさと交換してしまったらしく、私の個室付近で私が出るのを待っているようだった。
もう出なきゃ…。
ガックリうなだれながら個室から出たら、小人のような小柄のおじいちゃんがトイレットペーパーの袋を持って立っていた。
おじいちゃんは私に「すいません。ありがとうございました!」と言った。
交換係っておじいちゃんなんだなァ…と不思議に思ったと同時に、ありがとうございました!って何か不適切な言葉だよなァと思った。
でもあのおじいちゃんなら、ブフフフおばちゃんの正体を知っているかもしれない。
そう思ったら急におじいちゃんが凄い人に見えてきた。