デイリーMoccoly

クラウド・ゲイト・ダンスシアター

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台湾の「クラウドゲイト舞踊団」の公演を観た。
始まってすぐ「しまった!」と思った。
コテコテのコンテンポラリーのカンパニーだったのだ。
私はなるべくコテコテのダンス公演は避けてきたので、久しぶりにあんな正当派の舞台をじっくり観た。
まるでNHKの「舞踊の世界」(勝手な妄想タイトルです)という番組を観てるようだった。
このカンパニーは振付師もメンバーも全員とにかく凄く真面目だ。
真剣に作品に取り組んでいるのが良く分かったし、最後の挨拶なんかもアメリカやヨーロッパのカンパニーとはまるで違う、律儀な感じが凄く出ていた。
しかしながら、私には真面目過ぎて全然物足りなかった。
確かに体は良く鍛え抜かれていて、気持ちがいい程に体が良く動いていたし、その体にみ合った振付だった。
太極導引や瞑想、武術なども習得しているだけあって、呼吸をうまく使いながら踊っていたのも大変素晴らしかった。
でもコンテンポラリーならではのあの独特な世界観がバッチリ出てしまっていたのだ。
いや、バッチリ出すための舞台だからカンパニーにとってはあれが成功なのだろうが、あの世界観が好きな人、もしくは面白いと思う人は全世界でどれくらいいるのだろう。
少なくとも私には無理な世界だ。
あの世界を観る度に、「ダンスって一体何なんだ…?」と思う。
ダンスをやってる私が一歩ひいて観てしまうのだから、ダンスをやってない人が観たら尚更そう感じ、ダンスという行為をより遠いい存在に思ってしまうだろう。
ダンスは美しさの中にも楽しさがないと駄目だし、舞台芸術はやっぱりワクワク感がないとつまらない。
しなやかな体と綺麗な舞台が観たい人にオススメのカンパニーだ。

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