デイリーMoccoly

レーズンバター

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私はレーズンバターが大好きだ。
レーズンとバターだけなのに、豊潤な香りと味わいがするなんて、開発者に感謝状を贈りたいくらい、素晴らしい食べ物だと私は思う。
パーティーとか、お金持ちのお屋敷で出されるイメージがあるからか、一切れ食べただけで凄く贅沢な気分になるのだ。
でも実は一箱200円。
なのに家にこれがあると、一気にリッチな気分になる。
200円で一瞬私は城の姫になれるのだ。
城の姫バージョンの妄想はざっとこんな感じだ。
クラッカーの上に乗ったレーズンバターを綺麗なお皿に並べ、高級なワインと共に銀のゴロゴロした台車に乗せ、じいやが私の部屋まで持ってくる。
じいやは、「今日はお嬢様のお産まれになった1977年もののワインとご一緒にお持ち致しました。」
とか何とか言いながら、グラスにワインを注いでくれる。
私は一口ワインを飲み、続いてクラッカーは食べずにレーズンバターだけを口にする。
「やっぱりレーズンバターは美味しいね〜。良かったらじいやも一口いかが?」
私はじいやに優しく声をかける。
するとじいやは、「いえ私は結構でございます。それよりお嬢様、クラッカーと共に召し上がれると更に美味しゅうございますよ」
と言うのだが、私は「これだけを食べるのが好きなの!いつも言ってるのに、何で毎回クラッカーの上に乗せてくるのよ!もう!」
とワガママを言う。
するとじいやは「私はいつもコックにちゃんと申しているのですが、何故かコックが毎回このような状態に仕上げてしまうもので…。お嬢様、気分を悪くさせて申し訳ございません。」
と謝る。
しかし私は「じいや、そのコックに明日からもうここで働かなくていいと伝えてちょうだい!」
と意地悪を言う。
「えっ…、クラッカーひとつだけで…そんな…。しかもあのコックは三つ星レストランのオーナーで、かなりの腕前なのですよ。」
じいやはうろたえる。
しかし私は怯む事なく「何ならじいやも、そのコックと一緒に明日から働かなくてもいいのですよ。」
と言う。
「えっ……はい…分かりました。コックにそのように伝えます。」
じいやはかなりオドオドしながらこたえるのだが、そんなじいやをよそに私は「あ〜レーズンバターはやめられないねー。ワインとも良く合うし。こんなに美味しいレーズンバターを要らないって言うなら、じいやにはこのクラッカーをあげるよ。」
と言って、じいやにクラッカーだけを食べさせる私。
じいやは渋々クラッカーを口に運ぶのだった…。
このように私の妄想劇は無限に広がっていくのだった。
次回はレーズンバターから妄想する、「お金持ちだけがあつまる会員制パーティー編」をお届けいたします。
お楽しみに!

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