デイリーMoccoly

サインその2

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表のサインは誰かと聞いた私に、マスターはいともあっさりこう答えた。
「あっ、それ千代の富士だよ」
えーっ!!!!!!千代の富士!!!!!千代の富士って、あの千代の富士!?
一瞬にして一同大騒ぎになった。
私の勘は当たったどころか、それ以上だったという事だ。
それまで書いちゃえ!書いちゃえ!と無責任発言をしていた生徒さん達は、千代の富士というビックネームにまんまと怯み、その後何も言わなくなってしまった。
何故ここに千代の富士のサインがあるのか?
何故マスターがそんなに千代の富士のサインを軽くあしらうような態度を取るのか?
私はまたマスターに質問してみた。
すると、マスターと千代の富士は親戚関係らしいく、マスターにとってはいつでも手軽にもらえる貴重価値が極めて低いサイン。となるらしい。
なるほどね。
中途半端な有名人ではなくここまで大物で、マスターとの関係を知った私はやけに冷静になった。
千代の富士の色紙の裏にサインするなんて、こんな訳が分からない機会は滅多にないし、何よりマスターがいいって言ってんだから是非書かせて頂きましょう!
何故かさっきまでの躊躇が全く無くなった私は、さらさらとサインを書いた。
それとは逆に生徒さん達は皆オロオロしていた。
私のサインを見たマスターの奥さんは、「えっ?これは何て読むの?モ、ッコ、リー?…へぇ〜…」と浮かない顔をしていたが、私のサインはお店を入ってすぐの公衆電話の横に飾られた。
この裏には大スター千代の富士のサインがあるのに、わざわざ価値が低い私のサインの方を堂々と店の一番目立つとこに飾るやきとり家族。
私は“家族”の一員になれたという事なのだろうか。
何はともあれ、やきとり家族の温かさに触れた。
やきとり家族よ有難う!

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