クリスマスプレゼント後編
あっ!あれだ!
小学生の頃にもらったクリスマスプレゼントだ!
私は小学校4、5年生くらいまで、本気でサンタがいると思っていた。
まわりの友達は皆、サンタは親だと言っていたが、そんなはずはない!
他の家はそうだとしても、貧乏なうちはあんなプレゼント買えるはずがない!
だからうちのような貧乏家庭のみ、哀れんだサンタがやってくるのだ!
と、かたくなにそう思っていた。
しかしあるクリスマスイブの夜中、トイレに起きた時レイコから突然「はい、これプレゼント」と言って直接手渡しされた。
なにーーーーーっ!!!!!
やはりサンタはレイコだった!
薄々かんずいていたが、いざ直接渡されるとガックリくる。
何だこの渡し方は!
トイレに起きた寝惚けた私をつかまえて、はいこれって、雑にも程がある。
今渡されても困る。
プレゼントは欲しいが、今じゃない。
だがもらわないのももったいない。
という訳で渋々プレゼントを受け取った。
サンタがレイコだったという事実と、うちにこのプレゼントを買うお金が一体何処にあるのだろうという疑問と、何故今のタイミングで渡すんだという苛立ちとが重なり、私は訳が分からない状態になった。
もうトイレどころじゃない。
まさにこの瞬間こそがコニーでレイコにジーパンを買ってもらった時の何故か100%心底喜べない状態だ。
この時のレイコサンタからのプレゼントは例年よりかなり小さく、たった1つでインパクトもなかった為、何をもらったか忘れてしまった。
明らかに前の年よりもレベルダウンしていた。
そしてこの年を機にうちにはサンタがやって来なくなった。
レイコが余計な事をしたばっかりに、呆れたサンタはもうやって来なくなったのだ。
前の年までは本物のサンタが来ていたに違いない。
サンタはいる!
私は今だに信じている。
※写真はおばあちゃん。
今年も一緒にクリスマスケーキを食べられて非常に幸せだ。