デイリーMoccoly

本物の芸人

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牧伸二さんが亡くなった。
人の死は突然やってくるものだが、本当に突然やってくると戸惑う。
たとえ運命だとしても戸惑う。

数年前私は何度か牧さんのバックダンサーをやらせて頂いた事があり、その際とても良くして頂いた。
小さい頃からテレビでお馴染みの牧さんだが、初めて生のステージを観た時、その圧倒的な芸と存在感に衝撃を受けた。
と同時に、テレビの前でバリバリせんべいを食べながらお気楽に牧さんを観ていたあの頃の私に「あんたが観てる人は凄い人なんだよ!もっと真剣に観なさい!」と伝えてやりたい気持ちでいっぱいになった。
そして「芸人」とはこういう人を言うのだなァとも思った。
あんな威風堂々たる態度の迫力あるステージを今まで私は観た事が無い。
本物中の本物だった。

打ち上げの席でも牧さんは紳士的な態度であまり自分から多くを語らない穏やかな人だった。
大物ほど余計な事は喋らず、気さくな雰囲気を醸し出すものだ。
ここでも本物中の本物を感じた。
隣で終始ベラベラと自慢話に花を咲かせていた芸人がとてつもなく小物に見えて泣けてきた事も、今となっては懐かしい思い出だ。

生のステージを観れた事、更に一緒のステージに立たせて頂いた事は、私にとって大変に光栄な出来事だった。
そしてそんな牧さんを紹介してくれた藤井康一さんには感謝の気持ちでいっぱいだ。
藤井さんは小さい頃牧さんを観てウクレレを始めたそうで、牧さん本人から「牧伸三」という名前を頂き、あの「やんなっちゃった節」を唯一継承している人だ。
牧さんの作曲やCD製作も手掛けたりして、長年牧さんをサポートしてきた実は凄い人。
藤井さんと出会わなければ牧さんとも出会えなかった訳で、人の縁ってやっぱり私達の想像を遥かに越えたシステムになってるんだなァと改めて感じた。

70歳を過ぎてもあんなに勢いがある芸人は滅多にいない。
だからこそ牧さんにはまだまだ現役で活躍して欲しかった。。。。
とてもショックだが、現実を受け止めて私も日々精進しようと思う。

牧さん、ゆっくり休んで下さい。

生まれ変わったらまたお会いしましょう!

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