ひとりステーキ
先日出先で凄くお腹が空いてもうフラフラになってしまったので、途中下車してビールとステーキを食べた。
私はあまりガッツリ肉を食べるイメージが無いようだが、ガッツリ食べる。
特に生肉は大好きだ。
だからレバ刺しやユッケが無くなってしまい、非常に残念だ。
この日の気分はまさに生肉!
しかし無いのでかわりにステーキを食べた。
目指していた店の下に何やら雰囲気のいい喫茶&レストランみたいなレトロな店があり、店頭のステーキにひかれ入ってみた。
出て来たステーキはお皿から肉がはみ出していて、これぞステーキ!という感じでかなり美味しそうだった。
一口食べると、脂が甘くて案の定うまかった。
私はモグモグ食べた。
ひたすら食べた。
食べながらチラっと窓の外を見ると、向かいの店の店内が見えた。
窓際のカウンター席には何組ものカップルが楽しそうに飲んでいる。
楽し気だなァと思いながら私はステーキを食べる。
また窓の外をチラっと見ると、向かいの店から男だけで飲み会をしていたグループが出て来た。
何やらもめている2人がいる。
というか一方的に言い寄ってる先輩らしき人がいて、その話をただ聞いてる後輩らしき人がいる。
もめてるなァと思いながら私はまたステーキを食べる。
そしてまた窓の外をチラっと見ると、今度は合コン終わりの男女が店から出て来た。
男女は一旦解散したが、男子達がすぐ女子達を追いかけて次に行こうと誘っている。
すぐに誘うんだったら何で一旦解散したのかなァ。そんな事したら逆に女子から嫌がらるのになァと思いながら私はまたステーキを食べる。
レトロな店でひとりで黙々とステーキを食べる私は、世の中から完全にはみ出した気分になっていた。
世の中と繋がっている感じが全くしない。
異空間に迷い込んだようだった。
でもそれが嫌じゃなかった。
ステーキの中に何かエキスが入っていたのか。
それとも実はあのお店は架空の店で本当はそんな店存在しないとか。
とにかく凄く不思議な感覚だった。
またあの店でひとりでステーキを食べようと思う。