マロンちゃんとヤスオちゃん
オネエ料理家の「マロン」ちゃん。
凄く好きな男子の一人だ。
オネエだけど、マロンちゃんには何故か男を感じる。
清潔感と品の良さの中に男の色気を感じるのだ。
これって何なんだろう。
人間性なのかなァ。
良く分からないけど、最近マロンちゃんが凄く気になる。
オネエじゃなかったら付き合いたい!
というか、オネエでも付き合ってみたい!
そういえば昔パチンコ屋でバイトしていた頃、店長がバリバリのオネエだった。
名前は「ヤスオ」。
みんなからヤスオちゃんと呼ばれていた。
見た目は小太りでメガネをかけた頬が赤い東北出身の気のいい普通のオッサンだったが、喋る言葉や仕草が超女だった。
それが凄く可愛くて面白くて、私は毎日ヤスオちゃんに会うのが楽しみだった。
自分の好みのお客さん(もちろん男)が来ると超浮かれて、そのお客さんの後ろを訳もなくニヤニヤしながらドル箱を持って行ったり来たりするヤスオちゃん。
店内に蜂が入って来た時、営業中の忙しい時間なのにも関わらず
「キャーーーーー!蜂よ!蜂!蜂だわ!怖い!怖い!来ないで!こっちに来ないで!」
と一人で大騒ぎし、ワゴンにおしりをぶつけ
「痛い!痛い!おしりぶつけた!もうやだ〜!」
と床にうずくまり泣いていたヤスオちゃん。
雪が積もった日、
「東京生まれ東京育ちの雪に慣れてないあんた達には任せられないわ!」
と言って、この時ばかりは男丸出しで仕事もせずにずっと店の周りをザクザク雪かきしちゃうヤスオちゃん。
休みの日には必ず二丁目に出掛け、次の日必ず
「昨日はあんたより若い子とホテルに行っちゃったわよー!しかも1日で3人よ!楽しかったわー!」
と嬉しそうに私達に事細かく報告するヤスオちゃん。
そんな愛すべきキャラのヤスオちゃんは、女子も気軽に来れるオカマバーを開くという素敵な夢があり、その夢を実現する為にパチンコ屋で店長をしてお金を貯めていた。
そしてヤスオちゃんはいつも
「お店が出来たらあんたをダンサーとして雇ってあげるから、早く立派なプロダンサーになりなさいよ!」
と言って、私を応援してくれていた。
そんなある日、ヤスオちゃんからこんな事を言われた。
「私、女は大っ嫌いだけど、あんたとなら結婚出来るわよ!」
えっ!それどういう意味?
嬉しいけど嬉しくない!
嬉しくないけど嬉しい!
何だ!何だ!何なんだー!
私は凄く複雑な気持ちになった。
あれからもう15年くらい経ってるけど、ヤスオちゃんは自分のお店を開いたのだろうか。
嗚呼ヤスオちゃんに会いたい!
でも今ヤスオちゃんと再会したら、本当にヤスオちゃんと結婚しちゃいそうな予感がする。。。。。
とりあえずヤスオちゃんのお店で踊りたい!
これが今の私の夢だ。