くませんせいの逆襲
北海道はどこも大雪で気温も−5℃前後だったが、なぜか楽しかった。
寒さに超弱い私だが、中途半端じゃなくあんだけ大雪だと逆にテンションが上がった。
喜茂別は特に雪がいっぱいだった。
そこで雪かき体験をしたり、雪山散歩(山の入り口付近)に連れて行ってもらったりした。
足の付け根くらいまでの雪をズボズボと歩くと、いくら気温がマイナスと言えど汗をかくくらいあったかくなるし、何より清々しい山の空気が気持ち良かった。
途中ワインのように発酵した山葡萄を食べた。
うまい!
嗚呼自然ってやっぱり素晴らしいなァ〜なんて思いながら楽しく雪山を散歩していた私達だっだか、一瞬にして身が凍りつく出来事が!
前を歩く地元の方(三田さん)がいきなり
「あっ!くませんせいの足跡がある!」
と言った。
えっ!くませんせい!熊!
ギャーーーーーーッ!
ピーーーーーーンチ!
「くませんせい」と言うのは昨晩三田さん宅のチビッコに読んでと言われ読み聞かせをしてあげた絵本に出て来た熊のお医者さんの事。
くませんせいが仕事中に何度も間違えて風邪をひいた主人公の男の子の家に来て風邪を治してあげるというお話。
でもこの話、良く考えたらかなり不自然な事だらけ。
実際熊に息かけられたら臭いし、仕事中なのに間違い過ぎだし、そもそも家に熊が入って来たら家が壊れるし。
私と三田さんはくませんせいについて散々言いまくっていた。
だからくませんせいの足跡だと聞いた瞬間、これは完全にくませんせいの逆襲だと思った。
私達がいろいろ馬鹿にしたから、本当にくませんせいが出て来たのだ。
馬鹿にしてすいませんでした。。。。
心の中でくませんせいに謝罪したが、もう許してはくれないだろう。
私はしばらく怖くて動けなくなった。
テレビで熊に襲われたというニュースを見る度に、何故熊が出るような場所に行くんだろうなァ。行かなきゃいいのに。
なんて思っていたが、まさに今自分も熊に遭遇しようとしている。
ヤバい!
まだくませんせいが登場してないのにビビってカラダが動かない。
もう帰りましょう。と三田さんに言うのが精一杯だった。
何とか強張るカラダを動かして恐る恐るくませんせいの足跡を見たら、かなり大きくて益々ビビった。
しかも足跡は昨日か一昨日か最近出来たものらしい。
更にピーーーーーーンチ!!!!
もしかしたらまだ近くにいる可能性があるから帰り道ですら怖くなってきた。
ここに居るのも怖いが帰り道も怖いなんて、私は一体どうすればいいのだろうか。。。。
嗚呼くませんせい、もう二度と馬鹿にしませんから助けて下さい。許して下さい。お願いします!
また私は心の中で祈った。
その後かなりビビりながら何とか無事に帰って来たが、足跡を思い出すと今でも怖い。
熊は可愛いものではなく怖いものだ。
テディベアとかクマのプーとかリラックマとか、何故くま関係の可愛いキャラクターがたくさん登場したのか。
そして何故人気があるのか。
改めて謎だよなァと感じだ。