デイリーMoccoly

邪念

先日電車に乗る際、ちょっとした体験をした。
電車の扉が開き降りて来る人々を待ち、いざ乗ろうとした時、私より先にカップルが乗った。
そのカップルは扉のすぐ横の手すり付近を陣取ったのだが、彼氏が彼女を守ろうとして体勢を変えた為彼氏が扉の真ん中まで来てしまい、私はその彼氏に遮られなかなか乗る事が出来なかった。
ちょっと!ちょっと!邪魔なんだけど!これじゃ乗れないじゃん!
と思ったが、その彼氏は彼女に必死で、私の事なんて全く気づいていなかった。
要するに、一人の女を守る為、一人の女が犠牲になったのだ。
その瞬間思った。
この男は守ってるふりだな、本当の優しさではないな・・・・・・・と。
彼女にだけに優しい男なんて、それは一番信用出来ない男だ。
周りの人々にも動物にも草木にも地球にも、そして物や自分自身にも優しい男こそが本当に彼女にも優しく出来る男だ。
理想の彼氏のベスト3に必ず「優しい人」がランクインされるが、そんなの人間として当たり前だし、人それぞれ優しさの基準が違うのだから、この 「優しい人」は答えになってないよなァと私は毎回思っている。
将来の夢はなんですか?の答えが「お嫁さん」というのと同じくらい答えになっていない。
電車のカップルの彼女はきっと理想の彼氏は「優しい人」で、将来の夢は「お嫁さん」と答えるタイプの女子なのだ。
彼女にだけに優しい男と自分にだけ優しくしてもらいたい女。
世の中うまくいっている。
な~んだ良かったじゃないか!
でも私はあんな男とは付き合わないけどね!
と、1駅でそんな事を考え降りる瞬間、ん?待てよ・・・・何だかんだ言っても実はあのカップルが羨ましいのでは・・・・・という思いが頭をよぎってギクリ!とした。
いやいや!そんな事は無い!無いに決まっている!
これは邪念だ。邪念中の邪念だ。
私はあのカップルの幸せを祈る事にした・・・・。

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