興味深い本
とても興味深い本を読んだ。
漫画家の中崎タツヤさんが書いた【もたない男】というエッセイ。
最近「断捨離」が流行っているが、このタツヤさんは究極の断捨離をしている。
というか、もはや断捨離なんてもんじゃない。
仕事場に何もないのだ。
部屋を借りる際に物件の内見に行った時の、あの全く何もない状態の部屋で毎日過ごしているのだ。
それでもまだまだ捨てたい欲旺盛で、終いにはボールペンを使ったインクのところまで短くカットしたり、読んだ本のページを破いて捨てたりと、ホ ントに徹底しているお方なのだ。
私もここまでではないが、小さい頃から結構物を捨ててきた。
要らなきゃ捨てる。それか人にあげる。
そもそも貧乏だった私はずっと狭い家で暮らしてきた為、物を保管する場所がなかった。
新しい物を買い足したら古い物を捨てないと収納が出来ない。
というか、それが当たり前の事だとずっと思っていた。
なのに「断捨離」という言葉や行為が急に流行って驚いた。
そしてほとんどの人が物を捨てられないという事実を知って更に驚いた。
みんな何故そんなに捨てられないのか?
いつか使うから・・・・とか、大切な人にもらったから・・・・とか。
そんな感じの理由で家に使ってない物が溢れるようだが、どんなに大切な物でも高価な物でも、物は使わないと意味がない。
使って初めて物としての価値が生まれるのだ。
使わない物は物に対して失礼だ。
またその物を作った人に対しても失礼だ。
それは捨てる以上に残酷な事だと私は思う。
だから必ず使う物のみ家に置く。
至ってシンプルな考え方だと思うのだが、それが難しいと感じる人もいる。
タツヤさんの話に戻るが、このタツヤさんの凄いところは捨てる欲も強いが物欲も強いという事。
新しい物を何でもかんでも買っては何でもかんでもすぐ捨てる。
そして必ずまた使うと分かっていながら捨てるのだ。
この点は非常に興味深い。
更にタツヤさんはマザーテレサに憧れているのだ。
しかしそれは信仰や思想や哲学などではなく、極限まで物を持たない生活スタイルに憧れているのだそうだ。
って、そっちの角度から憧れの対象とされて、マザーテレサも今頃ビックリしている事だろう。
って、マザーテレサをビックリさせたという時点でマザーテレサを超えている気がする。
嗚呼私ももっともっと物を捨てたくなってきた!
年末に向けてじゃんじゃん捨てようと思う。