夢のような思い出 後記
楳図先生とのライヴは大成功のうちに無事終了。(前回・前々回 の記事参照)
その後楳図先生とはもう1箇所?2箇所?でバックダンサーを勤めさせていただいたのだが、
初回の印象が強すぎて実はあまり良く覚えていない・・・。
別荘探検と赤坂BLITZライヴは鮮明に記憶しているのに・・・。
人間の記憶って摩訶不思議。
もしかして1度きりだったのか・・・?
いやいや再度踊らせてもらったはず。
とは言えバックダンスが終了すれば楳図先生とお会いする機会は自然と無くなっていった。
そして数年が経過したある日、中央線の車内で楳図先生とバッタリお会いした。
赤白しましまシャツを着て背筋をピンと伸ばし真っ直ぐ前を向き座席に座っていらした。
1人だけ異次元オーラを放っており明らかに普通では無い為、電車に乗った瞬間すぐに分かった。
側に寄り声を掛けさせていただいた。
私「楳図先生こんにちは!赤坂BLITZでバックダンサーさせてもらった者です。
覚えてらっしゃいますか?」
楳「おー!こんにちは!元気に踊ってる?」
私「はい。元気に踊ってます!」
楳「なんか容姿が洗練されてダンサーって風格になってきたね!芸能人みたいだよー。」
私「えー!ホントですか!それは嬉しいです!ありがとうございます!」
楳「また何か一緒にやりたいね!これからも頑張って活動してね!」
私「はい!またご一緒できる日まで精進します!」
覚えててくださったにも関わらず洗練されたとのお言葉光栄極まりない。
そしてまた一緒に何かやりたいとまでおっしゃてくれて感謝感激だ!
ほんの数分の会話だったがその時得たエネルギーはとてつもなく大きかった。
私はしばらくの間 “楳図エネルギー” で生活していた。
そしてさらに月日は流れ、今から10年ほど前に吉祥寺の街中でまたバッタリ楳図先生とお会いした。
さすがにもう忘れられているだろうなァと思いつつもいてもたってもいられなくなり、
勇気を振り絞ってお声を掛けさせていただいた。
私「楳図先生こんにちは!もう20年くらい前ですが赤坂BLITZでバックダンサーさせて
もらった者です。覚えてらっしゃらないですよね・・・?」
楳「えーと・・・・すいません、ちょっと覚えて無いです。」
私「そうですよね。その節はありがとうございました。大変光栄でした!」
楳「踊ってもらったんですね。よく覚えてませんがありがとうございました!
今でも踊ってるんですか?」
私「はい!お陰様で今でも踊ってます!これからも頑張ってください、応援してます!」
そりゃそうだよね。
もう覚えてらっしゃらないよね。
でもしっかりご挨拶ができただけでも感激だ。
この時もまたしばらくの間 “楳図エネルギー” で生活した。
2022年東京で開催された「楳図かずお大美術展」に行った。
新作絵画101点。
言葉にならないほどの素晴らしさとエネルギーに圧倒された。
バックダンスをしたということが夢のようではなく、
夢だったのでは?と本気で思った。
そのくらい超越した作品だった。
楳図先生が旅立たれてから色々振り返ってみて改めて自分を誇らしく思った。
だって楳図先生のバックダンサーなんて世界に何人いるだろう?
さらにリポーターの東林海のり子さんがファンについているダンサー
となったらそれはもう私と後輩のたった2人だ。
感慨深く面白い!
最近私はよく楳図先生に話しかけている。
どんな質問にも先生はいつも
「好きなように自由にやればいいよー!」
と答えてくださる。
はい。
これからも私はそう生きていきます!
夢のような体験をさせていただき本当にありがとうございました!!!
※写真はネット上からお借りしました。