デイリーMoccoly

夢のような思い出

楳図かずお先生が旅立たれた。
私が19歳前後の頃、楳図かずお先生と仲良くさせていただいていた
時期があった事を思い出した。

そもそものきっかけは当時発刊していた「オリーブ」という雑誌。
そこに「オリーブ調査隊」という2〜4ページくらいの体験コーナーがあった。
ひょんなことから高校時代のダンス部の後輩が紹介してくれて、
私とその後輩はオリーブ調査隊として数回活動した。

その活動の記念すべき第一回目が
『オリーブ調査隊 GO! 楳図かずおさんの別荘を探検しに行きたい!』
という超大型企画だった。
私と後輩とオリーブ編集者の方数名で楳図先生の別荘に向かった。
別荘付近で迷っていたら、赤白しましまの外壁の2階窓から上半身を乗り出して

「オーーーイ!こっちだよーーーー!」

と全力で手を振る楳図先生が見えた!
もちろんお馴染みの赤白しましまシャツを着て。
キャーーーー!!!
衝撃のご登場!
突然夢のような光景が広がった。
大スペクタクルが始まる予感満載。
その後もずっと オーーーイ!オーーーイ!
と呼び掛けは続き、森に響き渡ったその声はまるで
楳図先生の漫画のワンシーンのようだった。

無事別荘に辿り着き中に入ると玄関の目の前に木で作られた
巨大な螺旋滑り台があった!
えっ!!!と思った次の瞬間

「ヤッホーーーー!!!」

と言いなが2階から楳図先生が滑ってきた!
ギャーーーーーッ!!!
衝撃のご登場第二弾!
凄まじいインパクト!
この時点ですでにテンションは最高潮!
楽しすぎる!
挨拶もそこそこに私達も早速滑り台を滑らせていただいた。
いきなりなんて贅沢なんだろう。

「この滑り台は漫画まことちゃんのお金で作りましたー!
だからまことちゃん滑り台です!
300万円以上しましたー!」

とチビッコのように話す楳図先生。
それだけでも充分凄いのに、廊下に原寸大?のまことちゃん人形や
楳図漫画グッズ、赤白しましま雑貨などがいたるところにあって
ミュージアムのようなお家。
そして禁断の寝室にも入らせていただいた。
布団カバーももちろん赤白しましま。

「どうぞ寝てくださーい!」

という事だったのでベッドに寝かせていただいた。
なんという有難き幸せ!
このお方は偉大過ぎる。
本物を通り越した未知なる人物だ。
居合わせた全員が終始興奮と感動の別荘探検となった。

一通り別荘を取材させてもらった後は、楳図先生行きつけの
近くのレストランでみんなで食事。
これまた夢のよう。
何を食べたかは忘れてしまったが、とても美味しかったという記憶はある。
そして当時60歳だった楳図先生の大変興味深い創作活動のお話をいろいろ
聞かせていただき、この上なく幸せな時間を過ごさせていただいた。

すると突然楳図先生がシングルCDを発売してライヴも
開催するという話題に切り替わった。
何やらローリー寺西さんのプロデュースで新曲を2曲出すという。
それは超面白い!
キャッキャ盛り上がる私達に向かって

「そうだ!ライヴの時 2人で僕のバックダンサーやってよー!」

と楳図先生からまさかのご依頼が!
えーーーーーっ!!!
それは絶対やりたい!!!
願ったり叶ったりとはまさにこのことだ!
一気にアドレナリン大爆発!
興奮して鼻血が出そうになった。

つづく

※写真はネット上からお借りしました。

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