デイリーMoccoly

スカウト

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先週物凄く暑かった日、電車で出掛ける前に亀有駅で一度休憩しようとお茶が出来る店に入った。
レジで注文を取る前にとりあえず席を確保し椅子に座って一段落ついていたら、トイレを待つオバちゃんに突然話かけられた。

オバちゃん(以後、オ)「トイレ待たなきゃいけないのねぇ」

私「そうですねぇ。1つしかないですからね。」

このように私は大抵いつも知らないオバちゃんなどから当たり前のように自然に喋り掛けられるので、また喋り掛けられたなァとぼんやり思っていたら今度は、

オ「あなた可愛い格好して、凄く可愛らしいわね〜。」

私「えっ、そうですか?ありがとうございます。」

オ「この辺じゃちょっと見ない格好でいいわよ!」

と褒められまくった。
そして…

オ「あの方お母さん?」(レジで注文している人を差しながら)

私「いえ違います。1人で来たので。」

お「あらそう。じゃあ、ご両親はもういないのよね?」

と、何故か両親の有無を尋ねてきた。
しかもすでに両親がいない事が前提のような口調だった。

私「いえ、一応まだ両親共に元気で生きてます。」

オ「あら!残念〜!ご両親がいなかったら、あなたを養子にもらおうかと思ったのに!」

なぬーーーっ!
養子ーーーー!
たった今会ったばかりなのに養子!
ギャハハーーー!
店のトイレ待ちの間に初対面の人に養子のスカウトをするなんて、このオバちゃんなかなかイケてるなァ。
って、スカウトされた私もまたイケてるが。
もしかしたらこのオバちゃんの養子になったら面白いかもしれない。
私は俄然ワクワクしてきた。

オ「じゃあ、弟さんとか兄弟はいるの?

私「いえ。一人っ子です。」

兄弟の有無も聞いてきた。
兄弟を養子候補にしようとしたのだろうか。
すると今度は、

オ「じゃあ、あなた1人でご両親のお世話しないとねぇ。この髪の毛で大変ねぇ…。」

って、オイ!
この髪の毛って、帽子の後ろからピンク毛がちょこっと出てただけなのに。
その前に親の世話とピンクの髪の毛は関係がない。
しかしこのオバちゃんには大いに関係があるらしい。
益々このオバちゃん面白いぞ!ぐふふ…。
なんて考えていたらオバちゃんは更に喋り続けた。

オ「でも、一人っ子だったら遺産相続でもめないからいいわよ!一人っ子は絶対得よ!」

私「そうですね。面倒な事にならなくていいですよね。」

オ「そうよ!一人っ子はいいわよ!遺産相続の問題はホントに大変だからね!」

と、力説しながらそのオバちゃんはトイレに入って行った。

ギャハハーーー!
私は心の中で大笑いした。
何てイケてるオバちゃんなんだ。
亀有にはこんなオバちゃんいっぱいいるのだ。
だから亀有は素晴らしい。
亀有万歳!
ビバ亀有!

もしまたあのオバちゃんに会ったら、今度は養子にしてもらおうかなァと思った。

※写真はスカウト現場。

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